恩田陸
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内容(「BOOK」データベースより)
膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への思向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか?不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章。
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不思議な力を持つ人々の話の短編集。心が温まります。
『大きな引き出し』が一番好きです。
光紀が、何だか可愛い。
不思議な力を持っているから出来ることもあって、でもそのせいで言えないこととか、しちゃいけないこととかもあって、いろいろ悩む光紀が健気だなあって。
でも結局はその力のおかげで他人の力になってあげることが出来たりとかするんですよね。
感動しました、この話。
表題にもなっている『光の帝国』も、『大きな引き出し』とは別の意味で好きです。
大きく心を動かされた、という点では同じですが、方向が全く逆です。
とても暗くて悲しいお話です。
フィクションの筈なのに、何だかちょっとリアルで。
上手く言えないから、とにかく読んでみてほしい話です。