小池真理子
********************
内容(「BOOK」データベースより)
美しく賢く、両親に溺愛されて育った3歳違いの姉。母の死、恋人の裏切りを機に、常軌を逸した旺盛な食欲にとらわれ、みるみる太ってゆく。日ごとに醜くなる姉への、かすかな嫌悪が、やがて憎悪に変わったとき“私”は…。表題作「贅肉」ほか、ゆるやかな狂気の淵にたゆたう心のさまを描くサイコ・サスペンス、選りすぐりの全4篇。巻末に著者自作の年譜を収録する。
********************
母が買って読んだこの本を、もらって読みました。そのまま私の本棚にいれてしまったんですけど。
たまのたまあに恋愛モノを読むだけの母が何故こんなサイコ・ホラーなんぞ買って読んだのかは全く不明ですが、まあこの本に出会うことが出来たので、そんな理由なんかどうでもいいのかも。
『贅肉』では、誰でもぶち当たりそうな壁を乗り越えることの出来なかった姉、葉子がぶくぶく太ってゆくのを眺めているうちに、妹裕美はどんどん憎しみに近いものを募らせてゆく。とゆう話?かな。
確かにやけ食いとか、食に走るとか、そういうのってあるけど、それがこんな形でホラーになると、なんか面白い。
やけ食いした後に、よくこの小説のこと思い出します。
『刺繍の家』。
中身が育たない大人って、なんかこわいですよ。いろいろと。
『終の道づれ』
この話が一番好きかも。淡々として話が進んでって、最後にぞわっとする。
『どうにかなる』
このタイトル、最初はいい意味でとらえてましたね。頑張ればなんとかなるよ、みたいな明るい意味で。
どうにかなるって、そういう意味だったんですね。
淡々と話が展開して、でもちょっとずつ歯車が狂ってきてる感じで。