小池真理子・小林泰三・篠田節子・鈴木光司・瀬名秀明・坂東眞砂子
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商品説明
ぜいたくな短編集である。この1冊で実力のあるミステリー作家6人の作品が堪能できるのだ。
彼らはミステリーという「闇」の中でも、それぞれ得意な分野で本領を発揮する。小池真理子、鈴木光司、坂東眞砂子、小林泰三の作品には人の心に潜む恐怖が描かれ、瀬名秀明、篠田節子が描く「闇」は科学の進歩が生みだす恐怖だ。彼らに共通しているのは、どれも読み終えたときに独特の「後味の悪さ」が残る点であろう。これは最も恐ろしいことが人の心や人が取り組む科学技術から派生する身近なものであり、決して他人事ではないという衝撃にほかならない。
たとえば坂東眞砂子の「白い過去」は、どこにでもいる幸せな主婦の日常を描く。ミステリーとは無縁と思われる生活の中にも、それは潜んでいる。予想できる結末のはずなのに強い余韻が残るのは、それが決して、遠い世界のことではないからだろう。
1つの作品を読み終えた後、別の作品を脳や感情が受け入れるまでに時間がかかってしまうのも、個性の強い作家たちの手によるものならではといえる。1つ読み、たっぷり余韻を味わったら次の短編へ。そうやって恐怖をじっくり味わいながら読みたい短編集だ。(鮎村有紀)
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小池真理子『生きがい』
すっごく短くて簡単に読めるけれど、結構印象の濃い作品です。
ホラーだけど、ひとによってはただのブラックユーモアと思うかも。
鈴木光司『ナイトダイビング』
リングの作者さんですね。このひとの作品は初めて読みました。
イマイチ好みではなかったようです。
篠田節子『子羊』
深いですというか…複雑です。
ちょっとSF入ってるんかな。SFはちょっと苦手なんです。
でも、面白かったですよ。それなりに。いつか本当に起こりそうな話、なのかな?
坂東眞砂子『白い過去』
私の坂東眞砂子に対するイメージとはちょっと違う作風だったような気がします。
といっても私もこのひとの作品を網羅しているわけではないので偉そうなことは言えませんが。
面白かったですよ、このお話!
淡々としてて、でも最後にちょっとうわあぁって思うような結末が待ってて。
小林泰三『兆』
この本でイチバン面白いと思ったのは、この話です。
狂ってる、と思った。
これが一番盛り上がりのあるホラーだったのかな。とにかく面白かった。
単純に私の好みに合致しただけかなとも言えるんですが。
瀬名秀明『Gene』
難しかったです。
私には理解が及ばない、というか…。
読み流すくせがあるので、じっくり読まないと理解できない作品はすごく途切れ途切れになってしまってつかれるんですよね。
でもその場その場で出てくる単語が難しいだけで、話の大筋はそう難しいものではないのかなーと思うので、今思うとそこまでじっくり読み込まなかくても理解できたんじゃ… という感じです。