江戸川乱歩
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内容紹介
日本における本格探偵小説を確立したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。特異な暗号コードによる巧妙なトリックを用いた処女作「二銭銅貨」、苦痛と快楽と惨劇を描いて著者の怪奇趣味の極限を代表する「芋虫」、他に「二癈人」「D坂の殺人事件」「心理試験」「赤い部屋」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「鏡地獄」。
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江戸川乱歩って有名だし、まあいっちょ読んでみるか、みたいな軽いノリで買って読んでみたら、見事に江戸川乱歩にはまってしまいました。
古いはずの本で、私は現代人に分類される人間ですが、その私でもこの本を充分楽しめます。
『二銭銅貨』が処女作なのだそうですね?なかなか好きです。お手軽暗号トリック!ですかね。
『D坂の殺人事件』で、明智小五郎に惚れました。いやほんとに。飄々とした、けどすごい探偵、っていうのがこの頃のはやりですかね〜〜。好きです!
『心理試験』も面白かったかな。完璧すぎるトリックは、逆に不自然、て感じですか。犯行トリックも人間味がないといけないんですねえ。
『人間椅子』ちょうホラーですよ。だって椅子に人間が入ってるんですよ。知らないうちにその椅子に座ってるんですよ。あああこわい!
でも最後まで読んでみると…、ですね。でもこわい。
『鏡地獄』は…気が、狂いそうでした。
『芋虫』。この作品は、なんかこう暗くて鬱々するものがあるんだけど、最後にちょっと、じーんとするものがきます。いやもう私本当に感動しましたけど、これ。
「ユルス」の一言に、とても、なんとも言いがたいものが。
いい話、というのもちょっと違う気がするけど、この話は好き。
全体的に、おもしろい。すっごくおすすめ。