貴志祐介
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内容(「BOOK」データベースより)
賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。その能力を活かして阪神大震災後、ボランティアで被災者の心のケアをしていた彼女は、西宮の病院に長期入院中の森谷千尋という少女に会う。由香里は、千尋の中に複数の人格が同居しているのを目のあたりにする。このあどけない少女が多重人格障害であることに胸を痛めつつ、しだいにうちとけて幾つかの人格と言葉を交わす由香里。だがやがて、十三番目の人格「ISOLA」の出現に、彼女は身も凍る思いがした。第三回日本ホラー小説大賞長編賞佳作。
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主人公はエンパスですけど、なんかさりげなーい設定のような気がしましたねえ。美人だ、とか、絵を描くのが上手い、とか、そんな程度っぽいくらいさりげない。
難しい言葉がたくさん出てくる上分厚いので、読めないひとも結構いんじゃないかなあ、なんて思ったり。
でも難しい言葉出てきたり専門的な知識がいっぱいだったりなので、ちゃんとした世界が構築出来てるように思います。作者のひとは賢いんだろうなと思わせる。
これがデビュー作だそうですね。じゃホラー志向だったのかな。なんて安易だけど。
『青の炎』と同じ作者さんですよね。あの作品も好き。映画でしか観たことないけど。でも『青の炎』はホラーじゃあないですよねえ。完璧ミステリー方面と思いますよ。
この作品もなかなかミステリーよりのホラーですよね。唯一ホラーなのは、由香里がエンパスってゆうとこだけじゃないのか、というのがいろいろゆるい私の分類ですけど。
あ、高野弥生さん幽体離脱、してましたっけね。やっぱホラーかあ。
でもそれでさえ、なんでもないことのように起こってるっぽいんですよねえ。全然ホラーを感じさせない。でも面白い。
そんな作品を好きな人にどうぞ。