辻仁成
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内容紹介
形だけの家庭と敵意に満ちた教室。転校生の僕の孤独を癒してくれるのは、伝言ダイヤルで知り合った少女サキだけだった…。第13回すばる文学賞受賞作。(解説・島田雅彦)
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苦手な『いじめ』モノかあと思って読んでいたらいじめられるばっかりではなく、仕返しらしいこともしている本でした。
仕返ししてやる!みたいな可愛らしい感じではなかったですけどね。
やられたからやりかえした。みたいな。淡々と。
サキがほんとにあんな生い立ちじゃないってことだけ何故か知ってたので、それは残念だったなあ。シマッタ。
知らずに読んでたらもっと面白かったんじゃないかな。
ヒカルの存在は、透の支えみたいなもんだったんじゃないですかね。
ヒカルがいることによって、僕にはヒカルがいるし別にいいや、みたいに思っちゃうところもあったと思う。
でも最後にはそれじゃいけないって気付いたわけで、透はヒカルなしで、”ひとり”で生きていこうって決心するんですよね。
孤立とはまた別の意味での”ひとり”。
ページ数がそんなに多くないので、ちょっとした時間にでも簡単に読めそうな本です。