朝倉かすみ
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内容(「BOOK」データベースより)
「十六歳だった。あのひとに出会うまで十六年もかかってしまったという気持ちは、後悔に少し似ている―」。本城えりが電車の窓越しに、賀集玲子の姿を見初めたのは、高校一年のことだった。玲子に憧れ、近づき、ひとつになりたいと願うえり。その強すぎる思いは彼女自身の人生を破滅へと向かわせてゆく。読み始めたら止まらない、衝撃作。
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好きすぎることが狂気に変わる。
ちょうど読む本がなくなって暇だったんで本屋にふらっと入ったら、そんな感じのことが本屋のPOPに書いてあって気になったので購入。ついでにたぶんそのときちょうどたくさんお金を持っていたか、本の衝動買いが急にしたくなった時期だったのかも。
だんだんただの精神疾患者って感じにしかなってなかったような。
サイコホラーでもないし、だんだん頭おかしくなってく主人公、ってただそれだけみたいだったし。
でもやることがそこまで思い切ってるわけでもなし、完璧に狂ってるわけでもなし、後半はもうびろうどを好きって気持ちがそこまで伝わってこない。
それじゃ根底から覆されてる気がして。
好きからきた狂気であるなら、あのままストーカーまがいがエスカレートし続けていたほうがそれっぽいし、あんまり好きじゃないけどたぶんおもしろくなるはず?
なんて、小説の書き方指南みたいなこと私が言ったって仕方ないしな。
結局私がもし書き直すとしたらサイコホラーにしかならん。
きっとこの作者はサイコホラーなんか書く気はないだろうし。作風が全然違う。
ただのサイコホラーだったりエスカレートしたストーカーみたいなのだったら、ある程度予想の範疇だろうから、この作者さんはその予想を裏切りたかったんじゃないのかな、とか。
後書にも、読者を裏切り、思わぬ方向へ動き出す。や、サプライズ、って書いてあったし。
この本は好きでも嫌いでもない。よく言えばそう。
悪く言えば、特に印象なし。