長野まゆみ
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内容(「BOOK」データベースより)
夏休暇も間近なある日、湾岸校に通う温は、ルビと名乗る少年から「契約」をもちかけられる。無口な少年と、手癖のわるい女の子、二つの人格をそなえたルビを、離れて暮らす母は「あなたの弟よ」というのだが―。生殖医療の発展した近未来を舞台に、人をこの世につなぎとめる愛、血脈を越える絆を描き出す傑作長篇。
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長野まゆみの本を一度は読んでみたい、と思って古本屋で探したらあったのが唯一この1冊だけでした。
まあまだよく知らないし、選ばなくていいんだからこれでいいや、と思っていたのですが。
なんか、この本て長野まゆみのなかでもちょっと違う感じの本らしいですね。買ってから知ったけど。
家系図を描きながら読みましょう、とか感想に書いてありましたが、ああ確かになあと思いました。
話ややこしいです。猛烈に。
家系図と一緒に、そのひとが持っている性染色体が何かも書くといいんじゃないかな。
後半、というか終盤はほんとにややこしくてややこしくて。結構読み飛ばしてしまった。
私って結構ややこしい話を、じっくり読み込まずに読み飛ばすひとなので。普通、逆だろう。と、自分でも思ってはいるんですが。
ルビがな。あんまり好きじゃないんですよね。
でも辰は好き。手当たり次第男でも女でもってとこがあるけど、でもまあ好き。
初めはABITAS-C1っていう聞きなれない単語が出てくる以外そんなに不思議なことはなく読んでいたけど、ルビが財布盗んだりし出したあたりから「・・・」ってなってきて、あとはモヤモヤを抱えながら終盤のどろどろまでずぶずぶと沈むだけ、のような。
心に訴えかけてくるものを感じるひともいると思う。
けど、最後のごたごたで完璧にストーリーを見失って心が離れていく人間もいる。それが私。