横山秀夫
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内容(「BOOK」データベースより)
「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの二日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは―。日本中が震えた、ベストセラー作家の代表作。
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なんだか映画化しているようだし(随分前だけど)、話題作みたいだし(随分前だけど)、まあ有名なやつだし読んでおくかと思って古本屋で購入。
何故夫は妻を殺さなければならなかったのか?その悲しく切ない動機を究明する。
っていう本かと思ってたけど全然違いました!!
殺したあとの空白の2日間はどういうことなのか?
警官の妻殺しで世間から警察批判されることをいかに回避するのか?
警察が清い存在であるためには、どんな真実も捏造していいのか?
まあ割りとこんな感じですね。
そういう世知辛い世の中を凝縮した本だとは思ってなかったから、知っていたら読まなかったかもしれません。
だってこれのために『梶が妻を扼殺した。なぜだろう?』という部分が殆どないがしろにされてないかな?って。
まあ志木さんは好きだけど。
でも、オチを突然現れた人間に掻っ攫われていくんじゃあ、誰も予想のしようがないよね。それをもし『衝撃のラスト』って表現するんなら、私は日本の文学界に絶望するね。
私の見る限りは一応そんな但し書きはなかったからよかったけど。
読み始めてから一応認識を改めた私が知りたかったのは、空白の2日間の真実。それだけ。
なのにだらだらだらだらと警察の顔だとか検察の意地だとかマスコミがああだこうだとそんなん知ったこっちゃないと思ってしまった。なのにラストはあんなんで、気が抜けた。
期待してただけにがっかりした。
これは私が50歳の半分もいってないからなのか?50に近付けば面白さが少しでもわかるのか?
まあ、あと30年も大事にこの本取っておくかどうか知らないけど。