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    2008.02.08 Friday 13:48

    暗い宿


    有栖川有栖
    ********************
    内容(「BOOK」データベースより)
    犯人当てゲーム“トロピカル・ミステリー・ナイト”に参加するため、南の島のリゾートホテルを訪れた臨床犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖。ハイビスカスに彩られたロビー。人魚姫のようにさざめく女たち。抜けるように青い空と青い海。バカンス気分で、のんびり過ごしていた二人だったが、訳ありげな夫婦に出会って…(「ホテル・ラフレシア」)。廃業した民宿、冬の温泉旅館、都心の瀟洒な名門ホテル―。様々な“宿”で起こる難事件に火村&有栖川コンビが挑む。傑作ミステリ作品集。
    ********************

    『様々な<宿>で起こる難事件に火村&有栖川が挑む。傑作ミステリ作品集!』
    というわけで宿です。短編集です。久々に読む有栖川有栖短編。

    『暗い宿』
    ふと思い立って旅に出たアリスが、急に体調を崩して明日取り壊す予定の元旅館に泊めてもらったことがことの発端です。本当に器用に事件に巻き込まれるひとですね。
    犯人のひとの態度のはっきりしなさといったらないですね。
    なんかこの話はそんなに好きじゃない。
    嫌いとは言わないけど。
    まあ、いつも通り火村とアリスは仲良いよね、ぐらい。

    『ホテル・ラフレシア』
    この話かなり好きだ。
    この幻想的な雰囲気も好き。
    犯人当てゲーム<トロピカル・ミステリー・ナイト>に招待されて石垣島のホテルに宿泊することになった片桐&アリス+火村。
    片桐はこの旅行で火村に本を書いてもらうことを打診しようとしていやにご機嫌とってます。
    火村は火村で石垣島に来てまで論文書いてるけど。来た途端寝てるし。そのせいか昼夜逆転させてるし。
    そして今回はアリスが推理作家としての面目を保っています。
    しかし三十男三人の旅は寒すぎる。気がするのだけれど。
    火村は不精な男に箔がかかってるけど…いい男だからよし。
    「え、マジ?判っているんだ。教えてください」
    おいおい片桐さん「え、マジ?」はやめてくれ。
    オチは確かに後味よくないけど、こういうのはなんとなく好きだ。

    <ここは天国なのか、地獄なのか>

    <落ち着いて>
    <ここに留まる運命なのです。
    チェックアウトはできますが、去ることはかないません>

    『異形の客』
    カラオケにて。
    「学生にこういうところへ誘われたことはあるのか?」
    「いいや。いつも独りで歌いに行く」
    そしてそんなところを想像して愕然としてるアリスに「本気にするなよ」と火村。
    独りでカラオケな火村なんていやすぎるよ・・・!!
    それはともかくこの話の感想は少々複雑(?)で。
    初めはよかった。なんとなくよかったんです。
    途中でなんとなく飽きる。何故か事件発生したあたりから、大黒様の反対側に大きい鏡があるのを見つけるあたりまで。
    後半おもしろいです。火村がすごくかっこいいんです。
    「自首するんじゃないよ」
    はっとするような台詞を言いますね。ぞくぞくします。
    「シロなら君はもちろん自首しない。だが、クロだったとしても、自首なんてしなくていい。一人を発作的に刺して死に至らしめ、もう一人を計画的に殺害しながら平然ととぼけられる人間に自首は必要ない。逮捕状を携えた刑事の訪問を受け、手錠を掛けられて引き立てられるのがお似合いなんだ。いずれにせよ、君は自首してはならない」
    火村の心の深遠を垣間見た気がしました。
    犯罪者を“狩る”人間でありながら、“獣”のような獰猛さを秘めているような。

    『201号室の災厄』
    この話は漫画化もしてますね。
    確かに面白い。火村のアクションシーンも満載ですからね。
    今回アリスは最初の一瞬しか出てきてません。
    しかし東京に別々の用事で出てきてるのに結局一緒に飲んでるあたりがやっぱり仲良いのよね。火村先生はアリスと犯罪だけが友達だもんね。笑
    せっかくの高いホテルなのに火村先生は可哀想な目に遭います。
    酔ったのも手伝ってか自分の階と違った階で降りてしまい、そのせいで事件に巻き込まれて部屋に監禁され、そして殺人事件の真相を解く羽目に。
    しっかし部屋から出るためとはいえよくあんな嘘の推理が出来たものだな、と。
    ろくに登場もしない人物がいきなり犯人になるのも変な感じだな、とは思っていたけどさ。


    そんなこんなで今回も面白い御本でございました。
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