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    2008.02.11 Monday 21:09

    絶叫城殺人事件


    有栖川有栖
    ********************
    内容(「BOOK」データベースより)
    「NIGHT PROWLER(夜、うろつく者)」と記された小さな紙片を、口の中に押し込まれ、次々と殺害される若い女。残酷な無差別殺人事件の陰には、カルトなホラー・ゲームに登場するヴァーチャルな怪物が―。暗鬱の「絶叫城」に展開する表題作ほか、「黒鳥亭」「壷中庵」「月宮殿」「雪華楼」「紅雨荘」と、底知れぬ恐怖を孕んで闇に聳える六つの迷宮の謎に、火村とアリスのコンビが挑む。
    ********************

    『〜殺人事件』というタイトルの作品ばっかりの短編集。
    初めはソフトに最後はハードにって感じの作品群でした。

    『黒鳥亭殺人事件』
    女は嫌いだが子供のあしらいが上手い火村先生の本領発揮ですよ。
    あしらいではなく扱いが上手いアリスも見られます。
    啼かない九官鳥のキュウちゃんについてのとことか。
    「それで人の真似ができなかったの?」
    「そう。どうして真似をしないんだろう、と考えるのと一緒に、啼けないのかもしれない、と考えなくっちゃね」
    考えなくっちゃね★
    じゃないってイムラさん。
    本を読んで、とお父さんに駄々をこねる真樹ちゃんに、火村先生。
    「おじさんが読んでくれるよ。ご本を書いてる人だから、読むのも上手だよ」
    とか言ってアリスの背中をどんと押します。いやいや何やってんのかな。
    『「・・・・・・事故や」
    私は言葉を絞り出した。火村はどなりつけるように、
    「事故でもない。これは想像だ。あったとも、なかったとも知れない」
    「あの子に訊いて・・・・・・確かめるのか?」
    火村はまだ火を点けていなかった煙草を折り、私に投げつけた。
    「馬鹿野郎。そんなことを訊くもんか!」』
    子供には、神経質なぐらい優しいのね・・・。
    でも、実を言うと、この話の本筋を、私はよく掴めていなかったのですが・・・。
    とりあえずタイトルが、黒猫亭からもってきてるってことだけはわかる。

    『壺中庵殺人事件』
    それでは事件当日の行動を再現してもらいましょうか、とか言い出した辺りで、何故か花住にミステリの神様が光臨したらしく、壺は何かのおもりではないか?という考えが浮かびました。
    普段は何にも気付かないのに、ここだけ・・・。
    一番アクションの多い宗也さんが犯人かな、っていうのは自明でしたね。
    何だか悪夢みたいな事件でしたね。

    『月宮殿殺人事件』
    何楽しいドライブなんかしてるんだろうとか思ったけど普通にフィールドワークの帰りでした。
    ここらへんにおもしろいものがあるハズだ、とか言って走るベンツから外を眺めるアリスに火村が。
    「面白いといっても、色々ある。どんなもののことを言ってるんだ?お前のことだから、どうせ文法がユニークに乱れた標語の看板とか、異常に野暮ったい名前の店とかだろう」
    お前のことだからどうせって。
    しっかしアリスはホームレスとも簡単に仲良くなっちゃうんですね。おもしろいわ本当に。
    そしてそこを通りかかってから数日後、怪文書みたいなファックスが。
    土蜘蛛
    星恋
    狼煙台
    九尾の狐
    魔法の卵
    世界ノ地図



    そして気付く。火村の筆跡だと。
    ・・・いや、普通気付くのか?私だったら気付かんな。
    「月宮殿っていうのは、赤いきれいな花をつける、春咲きのサボテンなんだそうだ。――仕事中だったかもしれないのに、邪魔したな」
    ・・・ううん。なんか彼女に電話したみたいだ。

    『雪華楼殺人事件』
    アリスの妄想炸裂の、切ない切ない話です。
    としか、言いようがないよ。

    『紅雨荘殺人事件』
    アリスは涙脆い説。かわいい。
    誰が犯人だ・・・とか思ってたら、こんなにいたの、って感じで。
    それにしても火村のベンツが「昨日、帰ってから動かなくなった」とかゆうのは本気でウケた。
    とりあえず牟礼真広は嫌いだ。

    『絶叫城殺人事件』
    こんな現在進行形の通り魔的犯行の殺人は火村向けなのか?
    と、若干疑問に。
    でも、なんか雰囲気が暗い。
    絶対この事件の間に火村は悪夢にうなされていそうだ。
    しかしゲームしてる火村って、ハタから見てて奇妙だろうなあ。
    「やっと連絡がついたな。取材に行ってたのか?・・・・・・ああ、そうなのか。・・・・・・ああ、昨日から捜査に加わっている。それまでにも声は掛かっていたんだけど、こっちが身動きが取れなかったのさ。・・・・・・残念だな。それぐらいは気づいている。詳しい話が聞きたいか?・・・・・・仕事は片づき次第、帰ってくるんだな?じゃあ、またこっちから連絡する」
    ・・・彼女ですか?火村先生。
    というか、何故、『ファースト・ラブ』?
    話の雰囲気と不釣合いすぎて、滑稽・・・ですね。
    学生がどうのと言っていましたが、そうじゃなくて、この作品を執筆しているほうの有栖川先生に、「何故ファースト・ラブなんですか?」って聞きたいです。
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