乙一
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内容(「BOOK」データベースより)
とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが、助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を通わせるようになる。しかし、そんな夜木を凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を暴かれる時が…。表題作ほか、学校のトイレの落書きが引き起こす恐怖を描く「A MASKED BALL」を収録。ホラー界の大型新人・乙一待望の第二作品集。
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『A MASKED BALL』と『天帝妖狐』のふたつの話からなるこの本。
これの前に『夏と花火と私の死体』を読んでいたく乙一を気に入り、貧乏なのに勢いで買ってしまった本でもあります。笑
まず『A MASKED BALL』。
読んだときが中学生だったので、高校生のときに初めて読んでたらもうちょっと印象違ったかな、なんてことを考えます。特に深い意味なんかないんですけれど。
本の解説にも書いてあったような気がするけど、インターネットの掲示板っていうものがある時代に、トイレの壁でも同じこと出来るよ的にやってのける乙一がスゴイです。発想がスゴイ。
犯人が誰かなんて全然わかんなかったです。面白かった。
お次は『天帝妖狐』。個人的にはこっちのほうが好き。
これはホラーに分類出来そうですね?というかだから私はこの作品好きなのかな。
淡々とした文から滲み出してくる澱のような空気。夜木の苦しみが、本から染み出てくるのです。
暗いしグロいけれど、なんだかちょっとじんわりしました。