山形石雄
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内容(「BOOK」データベースより)
「武装司書に正義を取り戻す」―裏切りの容疑をかけられながら堂々と宣言した武装司書・ヴォルケンはその裁判の当日、ひとりの女とともに姿を消す。館長代行ハミュッツは自ら追撃に出るが、その向かう未来に待っていたのは最強の武装司書の彼女を追いつめる難敵だった。そして暗躍する神溺教団たち―幾多の想いと偶然が『本』によって交わり、運命は予想できない方向へ動きはじめる!新人賞大賞受賞シリーズ第5作。
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表紙を見て、あれ、と思う。
レナス?
もう物語には参加してこないものと思ってた。いや思うでしょふつー。
それにしてもヴォルケン。ね。
アニメぼちぼち見てたから知ってるけど。またかって感じだ。
もっと最初っから出しときゃよかったんでない?
戦う司書シリーズの共通点は、昔から(少なくとも、作品に登場するより前から)バントーラ図書館に縁の強い人間が、いきなり、さも今までずっと登場してきたかのように普通に現れ、死ぬ。
だからシリーズものなのに登場人物が割りところころ代わる。
オリビアの言葉を借りるとしたら、よくころころ死にやがるなってとこです。
しかもヴォルケンの死は報われない。ハミュッツが、とかオリビアが、とかじゃなくて、最後は作者が落とした感じですね。この作品を象徴しているのか、ただ面白がってやってんのか。
とりあえずオリビアのおいろけショットにイチコロでした。
今回特に、ハミュッツが悪いやつってのがすごく出てたなあ。きらいじゃないですよ。というか、ハミュッツ好きだし。
愛の記憶を取り戻したエンリケは今後どうなるんだろ。クモラを思う出して、少しはノロティに優しくしてあげてね。
愛の記憶を取り戻してしまった肉たちに、今後神溺教団はどうするんだろ。だってこれまで肉ってそれなりに重要だったと思う。
そういやヴォルケンとミレポは仲が良かったんだね。アニメでもそうだったね。次巻あたりでミレポの苦悩みたいなのもあるのかね。なかったらちょっと無視しすぎか忘れてるとしか。
大分風呂敷が広がってきた感があります。世界観もだんだん掴めてきた。
ハミュッツは何のために戦っているんだろう?自分の死のため?ただ楽しいから?
しかし今回ヴォルケンを追っている最中のハミュッツが考えてたことは、ただの保身のような気がしてならない。それにちょっとがっかりしたんだけど、私の読み間違いかな。だったらいいなと思いつつ。
保身なんか考えちゃったら普通のひとだよ。ただの汚い大人だよ。それでもいいってことかな。
でも考える規模とかレベルとかが小さくって、ちょっとやだなあ。