小池真理子
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内容(「BOOK」データベースより)
ひぐらし鳴き乱れる北鎌倉の屋敷にひっそり暮らす若き女主人。彼女に魅了された男は請われるがまま、悪に手をそめることになる。魔性の女に翻弄される男を待ち受ける思いがけない結末。表題作「ひぐらし荘の女主人」。ほかに、禁断の恋を描く「花ざかりの家」、飼育願望の極致「彼なりの美学」。匂い立つ美と官能の饗宴、鮮やかなラストの反転。極上を味わう自選短篇集。
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『ひぐらし荘の女主人』
美人に騙されるなら本望ってところ、ですか、ね…。笑
先が読めた気分になってたけど、半分くらいそれを裏切られる形で読み終わりました。
読みどおりで終る作品ほどツマランものはないですね。だからそう意味ではよかった。
『花ざかりの家』
この話が一番好き、って言ったら趣味というか性格というか疑われそうかもしれないです。
じわじわじわ、にじみ出てくる何かにやられた。
『彼なりの美学』
こういう男のひと、いそうでいなさそうですね。
でもこんな男にでも、丁寧な言葉で、こんなに穏やかに、美しい、と褒めてもらったらやっぱり嬉しいものなのでしょうね。
そんなふうに褒めてもらったら私もイイ気分になるだろうな。
でもこんな奇妙な関係だからこそ、美しくなくなったら殺される、みたいな勘違いをするようになるのもわかるような気がします。
官能編、といいつつミステリーのような要素がちらほら。でしたね。